髪の毛の構造と発毛の仕組み

AGAを知る上で、髪の毛と発毛の仕組みを知ることも大切な知識となります。このページでは、発毛に関する基礎知識を紹介しています。

髪の毛の構造と発毛の仕組み

髪の毛は肌の角質層が変化してできたもので、以外と思われるかもしれませんが、指から生える「爪」と同じようなものなのです。髪の毛を構成している主成分は「ケラチン」と呼ばれる特殊なたんぱく質で、ケラチンは約18種類(20種類とも)ほどのアミノ酸によって構成されています。

髪の毛が作られている場所は毛包と呼ばれていて、毛包の深いところには毛球があり、毛球は毛母細胞と毛乳頭からできています。この毛母細胞は、毛細血管から運ばれてきた酸素や栄養素をエネルギーに、増殖や分化をくりかえして上の方へ伸びていきます。これが髪の毛となるわけです。そして、毛乳頭はさまざまな物質を分泌して、毛母細胞の増殖をコントロールしています。

しかし、様々な要因によって髪の生成に必要な栄養が不足してしまうと、健康な髪が形成されなくなり、これが抜け毛の原因となります。

AGAでは、毛細血管の血行が悪くなり、栄養素や酸素を毛母細胞へ送ることができないために、抜毛が発生します。その事からも、AGA治療のひとつとして、頭皮の血行を良くする頭皮マッサージも効果的と言われています。

冒頭にも書いたように、髪は皮膚の一部(角質層)と考えられています。皮膚細胞と大きく違うのは、髪は死んだ細胞で作られているため自己修復できないという点です。そのため、AGAに限らず、まず髪を傷つけないことがヘアケアの大事なポイントとなります。

毛髪が出来るまで

  1. アミノ酸が毛乳頭に運ばれ、真皮細胞が出来る。
  2. 表皮が細胞分裂を繰り返して、頭皮の奥へ落ち込んでいく。
  3. 落ち込んだ箇所で毛包が出来る。
  4. 落ち込んだ表皮が真皮細胞を包みこみ、毛母細胞へと発達する。
  5. 毛母細胞の分裂が繰り返され、ケラチンが生成される。
  6. 毛母細胞がメラニンを生成する。
  7. メラニンを取り込んだ毛母細胞がさらに分裂する。
  8. ケラチンと分裂した毛母細胞が結びつき、髪の毛になる。
  9. 1~8が繰り返され、髪の毛が表皮の方向へ押し出されていく(これが発毛)。

このようなステップを踏むことで、髪の毛は生えてきます。ちなみに豆知識となりますが、髪の毛は1日に0.4mm前後伸びると言われており、1ヶ月で約1.2cm、1年で15cm程度伸びると言われています(もちろん個人差はあります)。

さらに、日本人の毛髪の合計は約10万本となっており、1本辺りの太さは0.08mmで、毛穴の数は生まれつき決まっているそうです。

硬毛と軟毛

軟毛はメラニン色素が薄く、直径が30umよりも小さい、細い毛のことです。メラニン色素が薄いので、周りの毛髪よりも薄く見える特徴もあります。乳児期等の赤ちゃんの髪の毛が、黒ではなくて茶色く見えるのは、メラニン色素が薄いためにそう見えているのです。

硬毛は、その名の通り軟毛よりも硬くて太く、艶やかでコシのある硬い毛のことです。人は通常、乳児期から思春期へと成長していく段階で、軟毛から硬毛へと変化していきます。

「毛髪ができるまで」の項目でも紹介しましたが、人の髪の毛は通常、約10万本あるといわれており、健康な人でも1日に50~100本が毎日自然に抜け落ちると言われています。日本毛根抜け毛研究会によれば、抜け毛は1日平均で59本とのこと(2012年7月30日現在)。1日に数本の人もいれば、数百本程抜ける人もいます。

髪のヘアサイクルとは?

髪の毛1本1本には寿命があり、これを「ヘアサイクル」と呼んでいます。そして、このヘアサイクルの中で毛包は「成長期・退行期・休止期」のいずれかの状態にありますが、このうちの「成長期」が一番長く、通常2~6年間続きます。

成長期

ヘアサイクルの中で最も長い期間を占めているのがこの成長期です。通常、2年~6年程の長さがあり、この期間、髪の毛は伸び続けます。新しい髪の毛を作り続ける期間であり、古い髪の毛はブラッシング等でも簡単に抜け落ちるようになります。そして、髪の毛全体の80%~90%がこの成長期にあたります。

退行期

髪の毛の成長が弱まる期間です。期間は約2~3週間と言われており、この期間に髪の毛はまったく成長しなくなります。全体の髪の毛の中で、約1%がこの状態といわれています。

休止期

髪の成長が完全に止まっている時期で、この時期に新しい髪の生成が始まります。髪の毛全体の10%~20 %がこの状態にあります。

上記でヘアサイクルについて簡単に紹介しましたが、AGA(エージーエー)の人は男性ホルモンの影響でヘアサイクルの「成長期」が短くなり、「休止期」が長くなってしまいます。結果、新しい髪の毛が生成されなくなり、髪の毛が十分に成長しないうちに抜け落ちてしまうので、薄毛が益々進行して薄毛が目立つようになってしまうのです。

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