瀰慢性脱毛症は女性に多く見られる脱毛症の一種で、男性型脱毛症のように生え際や頭頂部が中心に薄くなるのではなく、全体的に髪の毛が薄くなってしまうという特徴があります。
「びまん(瀰慢)」とは辺り一面に広がっていくという意味があり、びまん性脱毛症はその名の通り、髪の毛のボリュームが全体的に少なくなってしまう脱毛症なのです。
男性に一番多い脱毛症はAGA(男性型脱毛症)ですが、女性に一番多いとされているのが、このびまん性脱毛症です。女性に多く見られる事から、女性型脱毛症とも呼ばれています。
びまん性脱毛症の原因
びまん性脱毛症は、壮年期以降の初老の女性や、閉経後の女性に多く見られていた脱毛症でしたが、最近では多くの社会的ストレスや、繰り返されるパーマ、ヘアカラーといった”オシャレ”思考が原因で、20代や30代の若い女性にも多く現れるようになっており、問題視されることが増えてきました。
原因としては、FAGA(女性男性型脱毛症)と似通った部分もあるのですが、以下のような原因が考えられています。
- 加齢や老化
- ストレスの増加
- 無理なダイエット
- 栄養不足(偏った食生活)
- 生活習慣の悪化
- 過度のヘアカラーやパーマ
びまん性脱毛症とFAGA(女性男性型脱毛症)は症状や脱毛の原因が似ているので、同じと見ることもできますが、FAGAは女性ホルモンが関係していますので、厳密にはまったく同じものではありません。
加齢や老化
加齢に伴い各細胞が老化していくと、細胞の働きは鈍くなってしまい、発毛に関わる毛母細胞等の活動も徐々に衰えていきます。血行も悪くなりますので、動脈硬化を併発し、毛細血管へ栄養や酸素が流れ難くなり、毛髪への栄養補給が出来なくなってしまいます。
血液と髪の毛には密接な関係がありますので、老化によって血の巡りが悪くなれば、びまん性脱毛症の原因となってしまいます。(抜け毛と血液の関係)
しかし、老化は自然現象なので、基本的にはどうしようもないのですが、トマト等に含まれているリコピンや、ポリフェノール等の抗酸化作用のある成分を摂る事で、老化の進行を遅らせることは可能です。
ストレス
女性は男性に比べてストレスに強いと言われていますが、女性は男性よりも多くのストレスを抱えており、そのストレスが原因で円形脱毛症やびまん性脱毛症といった脱毛に悩まされることも少なくありません。
最近では女性の社会進出が活発になり、複雑化するコミュニティによって慢性的にストレスを抱える女性が増えているのです。これらのストレスが筋肉の緊張や血行不良を招き、髪の毛に必要な栄養素が頭皮に運ばれず、髪の毛の成長を阻害してしまいます。ストレスがびまん性脱毛症を引き起こす原因となるのです。
無理なダイエットと栄養の偏り(栄養不足)
女性であれば当然かもしれませんが、女性はスタイルの良さを求めてダイエットには積極的です。中には、かなり無理をした食事制限を行い、スタイルを維持しようとする女性もいます。
しかし、こういった無理なダイエットが影響して、体に必要な栄養素が不足し、髪の毛に周る栄養も不足してしまうことから、瀰慢(びまん)性脱毛症を引き起こしてしまうのです。
過度のヘアカラーやパーマ
ファッションを重視するあまり、ヘアカラーやパーマを多用することで、頭皮に大きなストレスとダメージを与えてしまいます。これらのダメージは毛穴を傷つけ、毛母細胞等にも影響を与えてしまい、正しい発毛が行なわれなくなってしまいます。これも若い世代に多い原因と言えるでしょう。
びまん性脱毛症の治療と予防・対策
FAGA(女性男性型脱毛症)であれば、血管拡張作用のあるミノキシジルや女性用育毛剤のパントガールを使った治療法となるのですが、びまん性脱毛症はなによりも、日々のストレスをいかにして取り除くかが重要です。
原因の項で挙げたように、加齢による老化以外は、努力次第で解決することができます。生活習慣の乱れや過度なヘアケア、栄養の偏りといった原因を改善することで、びまん性脱毛症を改善することができるのです。男性型脱毛症(AGA)に比べて対策としてはやり易いと言えるでしょう。
どうしても食生活が乱れてしまう方であれば、サプリメントによる栄養補給を行い、ストレスの溜まってしまう環境にあるならば、意識してストレスを発散できる休日の過ごし方を模索する等して、生活環境を改善する努力を行なっていきましょう。