FUT法はスリット式植毛法の一種で、現在最も復旧している植毛法です。FUTはフォリキュラー・ユニット・トランスプランテーションの頭文字を取って略された名前です。
通常、毛髪はひとつの毛包につき2~3本の束となって生えている場合が多いのですが、FUとはこの毛包単位のことを言います。そして、FUT法ではドナーをFU単位でグラフト分けし、埋め込んでいく植毛法です。
さらに、ドナーとして取り出したFU単位のグラフトから余分な皮膚組織をカットし、グラフトをさらに小型化することで、方向や角度の自由度が増し、植毛後の仕上がりがより自然となる特徴を持っています。
FUT法のメリット
冒頭でも紹介しましたが、FUT法は現在では最も効果的な植毛法として世界で認められています。特に、FUTの大きなメリットとして、以下の2つのポイントが挙げられます。
マルチブレードナイフを使わない
マルチブレードナイフとは、複数の平行な刃によって構成されているナイフです。ドナーを採取する際に使われる特殊なナイフなのですが、、直線的に一定の間隔でカットする為、毛根へのダメージやロスが多くなってしまうデメリットがありました。
FUT法ではこのマルチブレードを使用せず、シングルブレード(一枚刃)のメスで慎重にドナーを採取していきます。さらに、ドナーの採取にあたっては顕微鏡を使用し、1本ずつ丁寧にドナーを採取するので、毛根へのダメージも少ない植毛法といえます。
FU単位での株分け
冒頭にも触れた箇所となりますが、FU単位による株分けも大きなメリットの一つです。従来の植毛法では毛髪単位でのグラフト分けを行っていました。それに対して衣、FUT法では毛包単位(FU)でのグラフト分けを採用しています。
毛包は毛髪が生存するために必ず必要となる組織のため、毛包単位で切り分けられたグラフトは定着率と発毛率が高くなる傾向にあります。
そして、毛髪の自然な生え方に対する再現率も高く、より自然な仕上がりを実現することができるのです。
FUT法のデメリット
FU単位でのグラフト分けは非常に細かい作業であるため、他の植毛法と比べてかなりの時間を要してしまいます。
また、FUT法による作業は担当医師一人では作業効率が悪くなってしまうため、他のスタッフと共同して行なわれることが普通です。したがって、医師だけでなく、クリニックに所属するスタッフ全員の高い技術力も要求されます。このことからも、質の高いクリニックを選ばなければ、術後の仕上がりに大きな差が出てしまう可能性が高くなるでしょう。
ヘアが細かい人だと十分な密度が取れないため、望む濃さが得られないというデメリットもあります。