マイクログラフト法では、移植部分となるドナーを採取した後で、髪の毛を1~3本毎(約1mm程度)の大きさのグラフトに分けて、専用の植毛針(ニードル)で1本ずつ植えていく手法です。
FUT法やバンドル植毛と共に、現在の日本国内において、最も一般的な植毛法として普及しています。
マイクロ・グラフト植毛のメリット
10~15本(約3~4mm)のグラフトをまとめて移植するパンチ・グラフト法は、まとめて植毛することによる仕上がりの不自然さという欠点がありました。
そして、この仕上がりの不自然さを解消するために考案された手法が、このマイクログラフト法です。グラフト分けを小型化することで、毛根間の隙間を極力無くし、さらに小型化によって毛の方向や角度の調整も自由度も高くなりました。
さらに、植毛には専用の針(ニードル)が使われますので、傷跡も残り難く、頭皮へのダメージも最小で済ませることが可能です。
マイクログラフト法は、きめ細かい作業が可能なので、生え際や眉毛といった目立ちやすい部位への施術に適しています。
マイクロ・グラフト植毛のデメリット
極小化したグラフト分けの扱いには、かなり緻密な作業が必要となります。また、グラフト分けの時間もかかりますので、手術中の患者にも負担が大きくなってします。
そして、グラフトが小型化して自由度が増した分だけ、担当医師には高い技術力が求められるようになりました。また、施術には時間がかかるため、担当医一人ではなく、クリニックに所属する他のスタッフ(看護師等)が施術を手伝うこともあります。
その場合は、担当医だけではなく、手伝うスタッフにも高い技量が求められますので、マイクロ・グラフト法を行なう場合は、クリニック選びは慎重に行なう必要があります。
FU(毛包)単位でグラフト分けを行なうようになったマイクロ・グラフト法
従来のマイクロ・グラフト植毛は、上記のように1単位につき毛髪1~3本というような毛髪単位でグラフト分けを行ってきました。そして、その後の植毛技術の発展で、現在では毛包(FU)単位でグラフト分けを行なうFUT法と呼ばれる植毛法が誕生しています。
毛包とは、毛根を包んでいる全体部分のことで、毛包単位でのグラフト分けは最も自然な方法として、世界的にも高く評価されています。
最近では、マイクロ・グラフト法にもFU単位でグラフト分けを行なうようになっており、従来の手法に比べて毛根の定着率が高まる等の改良が行なわれています。