髪を染めるものには、一般的に「白髪染め」と「おしゃれ染め」の2種類があります。どちらも髪を染めて色を付けるという目的の上で使用しますが、その効果に微妙な差異が存在しています。
白髪染めとおしゃれ染めの違い
白髪染めとおしゃれ染めの大きな違いとしては、その染毛力(髪の毛を染め上げる効果)の強さとその仕組み(過程)です。
白髪染めは白髪と黒髪を一度に、そして均一に染め上げることができるように一度脱色を行い、その後、高い染毛力で髪を染め上げるよう作られています。一方のおしゃれ染めは、元々の黒髪を希望する色合いにまで脱色して、そこに染料を加えることによって、希望する色を作り出すという仕組みになっています。
つまり、白髪染めとおしゃれ染めとでは、脱色する度合いが異なり、染料で染め上げる程度も異なるというわけです。ちなみに、おしゃれ染めの中でも「ブリーチ」や「髪色戻し」は脱色能力や染毛力が高く、白髪染めとほぼ同等の染毛を行うことができるとされています。
おしゃれ染めでは白髪は染まらない
おしゃれ染めと白髪染めとでは、その染毛の仕組みに違いがあることを先の項目で説明しました。そして、最近では「白髪染めはなんだかお年寄りのイメージがある」ということで、白髪染めにオシャレ染めを使うという若い世代が増えているようです。
しかし、残念ながらおしゃれ染めでは白髪を綺麗に染めることはできません。「出来ない」というわけではなく、「綺麗に染めることが出来ない」のです。おしゃれ染めの成分は、黒髪を染めることを前提として作られていますので、すでに黒髪でなくなった白髪には、染毛する効果が薄くなってしまいます。
一応は染めることも可能ではありますが、色素の定着力が弱く、すぐに色落ちしてしまい、あちこちに色ムラが発生してしまうことでしょう。そのために、白髪を染めるときにはおしゃれ染めではなく白髪染めを利用する必要があるのです。
ちなみに、おしゃれ染めの代わりとして白髪染めを使うことは可能です。白髪染めは黒髪も白髪も関係なく、一度全ての髪を脱色した上で着色を行い、色を定着させます。そのため、おしゃれ染めとしても利用することができるというわけです。
白髪染めのカラーバリエーションも増えている
白髪染めのイメージといえば、黒や茶色、グレーといった「地味」な色しかないと考える人も少なくないでしょう。しかし、最近ではユーザーの意見を反映し、様々なカラーが販売されています。
ブラウンやアッシュ系、オレンジ系やハデハデな紫といったものまで、顧客の要望に応える形で、メーカーも様々なバリエーションを販売しています。最近では、白髪染め=地味、ではなく、白髪染めでもオシャレを楽しもうという傾向が強くなっているのです。