とある薄毛・抜け毛に関するアンケートの中で、「薄毛対策で最も後悔している事」で最も多くの票を集めた答えが「何も対策を行なわなかったこと」となっていました。
これは、薄毛がかなり進行してしまった時点でようやくAGA治療を開始したのはいいが、進行しすぎてしまい、治療が難しくなってしまった人達による票が集まった格好でしょう。
このように、AGA対策は「なるべく早く」行なうことで、後々の良い結果を生み出します。しかし、かなり進行してしまったAGAに対しては、特効薬であるミノキシジルやフィナステリドの効果も薄くなり、場合によっては発毛が不可能な状態まで悪化している場合もあるのです。
毛母細胞の分裂回数は決まっている
人間の細胞分裂は、一部の生殖系細胞を除いてテロメアの働きによって約40~50回分裂したら終了と言われてます。これは毛髪を生成する毛母細胞も同じで、40~50回の分裂を繰り返した後、毛母細胞は寿命を迎えて、細胞分裂は行なわれなくなります。
そして、テロメアの働きによって細胞分裂が終了した毛母細胞からは発毛は行なわれず、そこには髪の毛は生えなくなるというわけです。
ここで重要なポイントがあります。人間はヘアサイクル(毛周期)に従い、毛母細胞が一定の周期で分裂を繰り返して髪の毛を作っているのですが、先にも説明したように、その毛母細胞の分裂の回数は一生のうちに40~50回と決まっています。これは、ヘアサイクルには限りがあるというわけです。
正常なヘアサイクルの周期は約2年~6年と言われていますが、ヘアサイクルを最短の2年、分裂回数を最小の40回で計算してみると、2年×40回となり、毛母細胞の寿命は約80年ということになります。
80年分の再生回数があれば、通常であれば若いうちからハゲてくることは無いのですが、AGAはヘアサイクルを乱し、髪の毛が抜け落ちるまでの期間を短くしてしまいます。
仮にヘアサイクルが0.5年まで短くなってしまった場合だと、0.5年×40回で僅か20年で寿命を迎えてしまうことになります。正常なヘアサイクルの人に比べて、4倍の速さで髪の毛が無くなっていくわけです。
毛母細胞の分裂回数が残っているうちに対策を!
このことからも、「いつでもAGA治療が行なえる」と思っている方は、考えを改めたほうがよいかもしれません。なぜなら、すでに寿命を迎えてしまった毛母細胞から髪の毛を生やすことはできないからです。分裂の回数がまだ残っているうちにAGA対策を行なえば、若いうちから髪の毛が無くなってしまうという事態は避けられるのです。
AGAの早期治療は良く耳にするフレーズだと思いますが、なぜ早期治療しなければならないかの理由は、ここまで読んだ方ならお分かり頂けたと思います。ヘアサイクルは有限だということを頭に入れつつ、現在行なえる最善の対策を模索していきましょう。