当然ですが、手術を行なうクリニック選びは非常に重要です。自毛植毛は限りある自分の髪の毛を移植する手術法です。植毛した全ての髪の毛が定着するというわけではないのですが、少しでも技術力が高く、定着率が優れたクリニックを選んでおきたいところです。
しかし、広告やホームページで謳っている定着率〇〇%の数字は、簡単に操作できる数字です。それらの情報を全て鵜呑みにするのではなく、何件かのクリニックを回って、実際に受けたカウンセリングの印象や設備、クリニックに努めるスタッフの技量等、様々な情報が大切になってきます。
クリニック選びに失敗しないためにも、注意する点をいくつかの要点に絞って紹介していきます。
行なっている自毛植毛の方法を確認する
自毛植毛にはいくつかの方法が存在していおり、植毛を実際に医師自らが行う方法や、グラフトの採取から植毛までを専用機器にて自動的に行う方法等、いくつかの方法が存在しています。
また、医師が行う手術方法も細かく分類されており、それぞれで特徴や仕上がりなどが違ってきます。
これらの手術方法は、事前のカウンセリングで詳しい説明があるはずです。もちろん、自毛植毛を受ける側としても、このカウンセリングで様々な情報を得ることになるのですが、そのクリニックが説明していることが全てではありません。
自毛植毛を受ける際は、必ず複数のクリニックを周って様々な説明を聞き、自分でも本やインターネットで情報を集めて、その情報を元に医師に質問するといった行動も重要となってきます。
クリニックの主治医とスタッフの技量を確認する
専用機器による植毛方法を除けば、植毛は医師の手自ら行うものとなります。また、採取したグラフトを株分けしていくのは看護師の作業です。自毛植毛は担当医師一人ではなく、そのクリニック全員で行なう共同作業なのです。
医師だけの技量が優れていても、スタッフの技量が低ければそのクリニックを選ぶべきではありません。医師とスタッフの素早い連携が無ければ、植毛した髪の毛の定着率も下がってしまうことでしょう。
従って、カウンセリングの際に、思い切ってクリニックのスタッフの技量やどれくらいの経験年数があるのかを聞いておくのも良いかもしれません。
インフォームド・コンセプト
インフォームド・コンセプトは、最近の医療現場ではあたりまえとなりつつあります。「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念で、医師に説明された手術内容や医療方針を聞き、納得した上で治療を受けるということです。
自毛植毛を行なう上で、後々のトラブルを避ける意味でも、インフォームド・コンセプトは非常に重要です。反対に、このインフォームド・コンセプトを疎かにしているクリニックでは、期待できる結果を得られないかもしれません。
これから手術を受ける患者の不安や恐怖を取り除くことは、医師にとって最重要課題でもあるはずです。言い方は悪いですが、患者をただの金ずるとしか考えていないのであれば、親身になったインフォームド・コンセプトは行なわれないでしょう。
担当してくれる医師がどれだけ親身になって私達の事を考えてくれているのか?クリニック選びで最重視しておきたいポイントです。
セカンド・オピニオン
専門的な用語が続いてしまうのですが、セカンド・オピニオンとは、「よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に求めた「意見」、または「意見を求める行為」の事です。
クリニック選びの際に、数件のクリニックでカウンセリングを受け、前のクリニックではこのように言われたが、あなたはどう思いますか?といったように、本当にその医師が正しいことを言っていたのかを確認するための方法です。
複数の医師の話を聞くことで、自分の中での疑問を解決し、正しい知識を身につけていくことも可能となります。そして得た知識を持って、より良い自毛植毛の方法を選んでいくための手がかりとなります。
二つ以上のクリニックでカウンセリングを受けることで、クリニック間の比較を行なうことができますので、まったく同じ手法と医師・スタッフの技術力であるのに、価格に差があるといった情報を得るためにも役立ちます。
自毛植毛は欧米に比べて、国内での普及率があまり高くありません。実際に施術してくれるクリニックはまだまだ少ないのが現状なのですが、それでも比較検討せずにクリニックを選ぶのはリスクが高いということを、認識しておきましょう。