薄毛や抜け毛は、世の中の男性にとって永遠のテーマとも言えるキーワードです。最近では優れた植毛技術や、特効薬とも言える育毛剤が開発され、薄毛治療は飛躍的な進歩を遂げています。
しかし、薄毛治療の歴史を紐解いてみると、その歴史はなんと5000年も前から存在していたのです。
日本の薄毛治療の歴史はまだ始まったばかり?
まずは日本の薄毛治療の歴史を見てみましょう。まず、日本の大手カツラメーカーがかつらを開発し、その後に人工毛植毛で一斉を風靡しました。しかし、その後は医学的なアプローチから薄毛の治療に携わっていることからもわかるように、現在の日本では「投薬治療(育毛剤)と自毛植毛」が主だった薄毛治療の手段となっています。
一方、世界の薄毛治療の歴史はどうでしょうか?冒頭でも紹介したように、世界的に見れば薄毛治療の歴史はかなり古いものがあります。薄毛の治療が施されていることが確認できた最古の時代は、なんと今から5000年も前。エジプトでその記録が残されていました。
エジプトのチャタ王の母は、息子が薄毛に悩まされていたことで、犬の掌やヤシの実、ロバの肉など、当時は薄毛に効果があるとされていたそれらの料理を、薄毛治療の一環として、一種の薬の様にして与えていたと言われています。その効果の程は謎ですが、当事でも薄毛に対するコンプレックスがあったことが伺えます。
しかし、そのような料理では薄毛の進行をくいとめることはできず、その最終手段として「カツラ」が、今から3000年程前から発展していくことになります。
医学の父 ヒポクラテスでも薄毛は治療できなかった
薄毛の治療として面白い記録があります。それは、紀元前のギリシャの医者で「医学の父」と呼ばれる、有名なヒポクラテスがとった手段です。
ヒポクラテスは、薄毛の治療を行なう目的で、阿片(アヘン)やハトの糞、他にも様々なスパイスなどを自分の頭に塗りつけていたそうです。もちろん、このような方法では薄毛をくいとめることはできず、どんどんと進行していきました。
その結果から、当時の人々は薄毛が進行している人達のことを「ヒポクラテス ハゲ」と呼び、薄毛治療の実験は非常に不名誉な結果に終わってしまうことになりました。
なお、日本では植毛という手法が最初に考案され、1800年頃には日本の医師から提案され、試行錯誤をしていく中で様々な術式が考えられてきました。そして、奥田医師が日本の植毛のパイオニア的な存在となったのです。
奥田医師が考え出した、火傷治療の研究から皮膚移植技術に役立つノウハウが生まれ、そして今日の「植毛」に道を繋げていくことになったのです。