フィンペシアとは?
フィンペシアは、フィナステリドを1mg含有するAGA治療薬です。有名なAGA治療薬のプロペシアと同一成分となります。フィナステリドは、AGAを引き起こす原因である5αリダクターゼ(還元酵素)が、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換される活動を阻害する働きを持っています。
フィンペシアとプロペシアの違いは?
プロペシアとフィンペシアの違いがよく分からないという声も聞かれますが、含まれている有効成分のフィナステリドはプロペシア、フィンペシア共に1mgとなっており、基本的な効果に大きな差は無いと言われていますが、専らの大きな相違点は製造会社と製造国、そして価格が異なる点でしょう。
AGA(男性型脱毛症)治療に有効なプロペシアとは?のページでも触れましたが、プロペシアは米国メルク社が開発したAGA治療薬です。一方、フィンペシアはインドのシプラ社(インド全体で2位の製薬会社)で製造されているフィナステリド錠剤です。
育毛剤に少し詳しい方であれば、「フィンペシアはプロペシアのジェネリック医薬品」であるとの認識を持っている方も多いでしょう。ジェネリックとは、物質特許が切れた医薬品を他の製薬会社が製造・供給する医薬品のことを指します。
そして、フィンペシアがオリジナルのプロペシアに比べて安価であるのは、すでに特許期限が切れたフィナステリドを利用しているからと認識されているわけですが、実はプロペシアの特許はまだ切れていません。
通常、医薬品の特許期間は「20年」と決められています。そして、プロペシアの場合は2019年まで特許の権利が残っています。しかし、インドに拠点を置くシプラ社は、インドの法律の中で薬を製造することができます。
インドには製法特許と呼ばれる「有効成分の合成方法に関する特許のみ」が認められています。この製法特許のおかげで、先進国の製薬会社が開発して特許をもつ医薬品と同一成分の薬を作ったとしても、製造法が違っていれば国内では特許権の侵害にはなりません。
ただし、近年は新たに「物質特許(有効成分を保護する法律」が導入されたため、インドに拠点を置く地元製薬企業は、特許薬のジェネリック版を製造する場合は政府から「強制実施許諾」を得る必要があり、なんでも無条件で製造できるというわけにはいかなくなっているようです。
この様に、様々な背景と理由があるのですが、フィンペシアは正しくはプロペシアのジェネリック医薬品ではないのです。
フィンペシアとプロペシアの有効成分は同じ
本来であれば莫大な開発費用が必要になる新薬なのですが、すでにその作用が証明されている成分をそのまま利用することで、オリジナルに比べて非常に安価で販売することが可能です。
先ほども説明したように、特許は新薬の開発に膨大な費用をかけた企業を守るため(利益を独占するため)の決まりごとなのですが、その決まりに囚われない抜け道も存在しています。インドのシプラ社がまさにその例なのですが、その抜け道に関する是非はともかく、利用されている成分が同じであるならば、その作用に大きな違いは無いと考えるのが普通です。
シプラ社についてはまた別記事で説明する必要がある程の製薬会社なのですが、私個人のイメージとしては「貧困層を救う正義の味方」的な印象を持っています。
⇒ジェネリック医薬品で数百万人の命を救った現代のロビン・フッド
上記の記事はシプラ社を知ってもらうためにも、是非とも読んでもらいたい記事なのであわせて紹介しておきます。
少し離しが脱線してしまいましたが、プロペシアは1ヶ月分(30錠)で約7000~10000円程の価格(処方する病院によって価格差がある)ですが、フィンペシアは2000円前後とかなり格安です。AGA治療薬は基本的に、飲み続ける必要がありますので、少しでも安いものを選びたいという消費者の心理は当然であり、実際にプロペシアからフィンペシアに乗り換えたという利用者も少なく有りません。
オリジナルの治療薬でないことに不安を感じる方はプロペシアを、特にそのようなこだわりが無く、少しでも安いものを求めるならばフィンペシアを選択することになりますが、最終的な判断は医師と相談の上で決定するべきでしょう。
冒頭にも説明したように、フィンペシアはプロペシアと同一成分です。成分に関しての効果や副作用については、フィナステリドの効果・効能・副作用のページで詳しく解説しています。フィナステリド配合の育毛剤のページでは、その他のフィナステリドが配合された育毛剤を紹介していますので、併せて確認してみてください。