円形脱毛症

円形脱毛症は、脱毛症の中では比較的認知されており、誰でも一度は、その名前を聞いたことがあるかもしれません。10円玉程度の大きさの脱毛が突然起こってしまう自己免疫病のひとつで、強いストレスが原因とも言われています。

円形脱毛症の症状

10円玉大の脱毛が、一箇所、または数箇所に突然起こる脱毛症です。中には500円玉程の大きさで脱毛が起こる人もいます。男女別で見ると、女性に比較的多い脱毛症で、生理や出産等で悪化する場合が多いようです。

年代別で見ると、30歳以下で発症する割合た8割と最も多く、特に15歳以下の発症例が25%を締めており、若い世代に多い脱毛症ともいえます。

冒頭にも少し触れましたが、名称としてもメジャーであり、脱毛症の中では最も発症数が多いと言われています。発症の割合はやや女性が多いももの、男女問わずに発生する一般的な脱毛症です。

症例にはいくつかのグループがある

円形脱毛症には、発症する箇所の数や症状によって、いくつかのグループに分けられています。また、発症した人の中には爪に横筋や小さな凹みが無数に出来たり、爪自体が歪んだりする症例が見られることもあります。これは、爪と髪の毛の構造が非常に似通っているためです。

単発型

円形脱毛症としては最も多く見られる初期症状です。発症のタイミングとしては、何の前触れもなく急に頭髪に丸い脱毛部分が出来てしまいます。大きさは十円玉サイズで発見されることが多いのですが、人によってその大きさは様々です。

脱毛する前兆としては、かゆみや大量のフケなどが生じる場合もありますが、発生自体に気付かず、治りかけの状態で発見されることも多いようです。また、60%は自然治癒するが、以下の症状に移行するケースもあります。

多発型

円形の脱毛班が2箇所以上になる症例です。単発型から症状が進んだ症例で脱毛部分同士が結合して大きな脱毛面積になることもありますので、多発型はその発症後すぐに気付くパターンが多いです。

多発型に進行した円形脱毛症では、髪の毛に限らず全身の毛(体毛)にも脱毛が見られ、毛髪と構造が似ている爪にも影響が現れることがあります。

多発融合型

びまん性:頭髪全体で平均的に多数の毛が抜けてしまう症状で、難治性の一種となります。全頭型や汎発型に移行するケースも多く報告されています。

蛇行性:蛇のように細長く脱毛する症状です。後頭部や側頭部の毛の生え際にかけて、不整型に脱毛してしまいます。主に小児にみられる症状です。

全頭型

多発型から症例が進んだもので、脱毛部分同士が重なり合い、頭髪全体が抜け落ちる症状です。近年、女性の間で急激に脱毛し、頭皮の痒みを伴い、無治療で短期間に自然治癒してしまう、「Acute diffuse and total alopecia of the female scalp」という特殊なタイプも報告されています。

汎発型

ひげ・すね毛・陰毛など、体のあらゆる体毛が抜けおちてしまう症状です。治療の予後が悪いのもこのタイプで、悪性円形脱毛症や全身脱毛症(全脱)とも呼ばれています。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因としては、一般的にはストレスによるものや、自己免疫反応によって引き起こされるもの、アレルギーによって引き起こされるもの等、いくつかの原因が考えられています。

その中でも最も有力な原因として、体の防御機能であるCD8陽性Tリンパ球が毛根部分の自己抗原にあやまって攻撃してしまう、いわゆる「自己免疫反応」によって引き起こされる自己免疫疾患が原因とするものです。

アレルギー性に関しては、円形脱毛症全体の8割を占めるタイプで、他のアレルギー疾患 (アトピー性皮膚炎や喘息など)と円形脱毛症が深く関わっていると推測されています。アレルギー性のタイプでは、発症が単発型でも次第に症例が重くなる傾向があり、完治が難しいとされています。

円形脱毛症の治療と予防

程度の軽いものであれば、基本的には自然に治る場合が多いのですが、根本的な原因(ストレス等)を解決しなければ、再び脱毛症が起こってしまいます。また、程度が重たいもの(多発融合性や汎発型等)であれば、皮膚科等の専門外来で診察を受ける等して、放置しないように気をつけましょう。

一般的に、円形脱毛症の治療が対処療法であり、根本的な治療法は確立されていないと言われていますが、根本治療がないのは高血圧、糖尿病など内科疾患も同じであり、円形脱毛症に限ったことではありません。

対処療法としては、セファランチンやステロイドの投与や免疫抑制剤の使用、PUVA療法、局所免疫療法といったものが考えられますが、いずれの対処療法を行なうにしても、円形脱毛症の原因は体内の免疫抗体の急激なバランス変化によるものです。

この急激なバランスの変化が体内で起こっているうちは、一時的な対処療法を行なったとしても、高い確率で再発してしまい、根本的な治療とはならない場合が多いのです。

アストレシンB配合の新型育毛剤を使う

ストレス型の脱毛に対して効果を発揮できる育毛剤に、スペクトラルF7があります。

まだ発売されてからの時間も浅く、安全面等については未知数ではあるのですが、ストレス阻害物質であるアストレシンBを配合した育毛剤は、現在では非常に数が少ないのが実情です。

しかし、アストレシンBはストレスホルモンに対して大きな阻害作用があることが研究からも分かっており、今後育毛剤の分野に大きく食い込んでくる可能性はあります。

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