白髪は誰にでも起こる現象で、一般的には年を取るごとに増えていく傾向にあります。元々、人間の毛髪は自然に変色していき、通常は生まれつきの色から徐々に灰色へ、そして白色に変化していくのです。
統計によれば、40%以上のアメリカ人は、40歳の誕生日を迎える頃には多くの白髪を持つようになるといわれています。しかし、白髪は10代~20代の若い世代にも現れることがあり、幼児期にも白髪が発生する場合もあるのです。
また、ある人物が白髪になり始める時期というのは、ほとんどは遺伝に基づくものであると考えられています。時には、遺伝によって生まれながらにして白髪を持っている人もいるのです。
白髪の原因
通常、我々日本人の髪の毛の色は「黒」であり、この色を作り出している成分が「メラニン色素」です。メラニン色素と聞くと、シミやそばかす、目の下に出来る「クマ」を連想する人が多いと思いますが、そのメラニン色素が髪の毛の色を作り出しているわけです。
そして、メラニン色素を作り出しているのが、髪の毛の根元にある毛乳頭に存在する「メラノサイト」と呼ばれる色素細胞です。
メラノサイトは、髪の成長に合わせてメラニン色素を生成し、髪の内部に織り込んでいく働きを持っています。しかし、なんらかの原因によってメラノサイトの活動が低下してしまうと、メラニン色素を作り出すことが出来なくなってしまうので、白髪が生えてくるということになります。
白髪はメラニン色素が含まれずに成長に至った毛髪であり、メラノサイトの活動の低下によって、白髪は増えてしまうというわけです。
メラノサイトの活動が低下してしまう原因としては、以下の様なものがあります。
- 加齢による老化
- 遺伝的要素
- 病気によるもの
- 生活習慣
- 栄養の偏り
この中でも、白髪は特に遺伝的要素と老化によるものが原因と考えられていますが、先天性白皮症によるメラニンの生合成をつかさどる遺伝子の欠損により、メラニンが欠乏するといったように、病気が原因で白髪となる場合もあります。
白髪の予防と対策
原因の項目でも例に挙げたように、白髪は遺伝的要素や老化に拠る所が大きく、年を重ねていけばどうしても白髪は生えてくるものです。しかし、最近ではアンチエイジングの考えに基づき、体の老化を遅らせることで、髪の毛の健康を保っていく方法もあります。
基本的には、抗酸化作用のある食物を多く摂り、体の老化を早めてしまうような生活習慣(不摂生等)を改め、全身の血の巡りを良くするために運動を習慣化するといった方法で、老化の進みを遅らせることができると考えられています。
また、ストレスは老化を早める原因とも言われていますので、なるべくならストレスの少ない生活を送りたいところですが、現代社会はストレス社会とも言われており、まったくストレスの無い生活を送ることは非常に難しくなっています。
血流の改善とストレスの発散という意味では、適度な運動が最適といえます。運動はストレスの発散にもなりますし、趣味に没頭する時間を作り、気分のリフレッシュを計ることも大切なのです。